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ヒトデの娘

木枯らしが春一番にバトンを渡し、私あの娘のもとまで駆け出すの。
黄色のバスは乗車時に尋ねるの。
「ねえ、お客さん。行き先はどちらまで」
「あの娘の待つ終点へ、まどろっこしい迂回などせずにノンストップで向かっておくれよ」
張り付いた思い出を削ぎ落とすんだ。よく晴れた日だなあ。
あの娘のうなじに、キッスしたいんだ。

あの娘の呼吸が歌になる。歌は風に乗って、海を渡る。時代すら超える。
耳から入って、またあの娘の呼吸になる。あの娘の呼吸が・・

停留所からあの娘のもとまで歩き出す私。
磯の匂いと立ちこめる木々。
「案外、浮ついた気分にならないもんだわ。」
などと思いながらも、軽快にスキップ。あの娘のもとへ、あの娘のもとへ。
そういや。スキップが苦手なあの娘がUNOでこれ見よがしにスキップをかまし、
「私だって、上手にスキップできたでしょ」
などと茶目っ気たっぷりに微笑んだことが浮かんだ。
あの娘のひざ裏に、キッスしたいんだ。

あの娘の鼓動が歌になる。歌は風に乗って、海を渡る。時代すら超える。
耳から入って、またあの娘の鼓動になる。あの娘の鼓動が・・

センセーショナルな名ゼリフ。悩んだふりして、キッスしたいんだ。
センセーショナルなラブソング。忘れたふりしてキッスしたいんだ。

木枯らしが春一番にバトンを渡し、私あの娘のもとまで駆け出すの。
黄色のバスは乗車時に尋ねるの。
「ねえ、お客さん。行き先はどちらまで」

繋いだのは、右手だったか。左手だったか。
不確かな思い出。お揃いで驚いて。
ひとりでに歩き出した二人の残像に手を振って。

「久しぶりだねえ」
リュックサックに詰め込んできたものをひとつ、ひとつ、あの娘に見せる。
ニコッと微笑んだような気がしたあの娘を、そっと抱きしめてやりたいのだがな・・
いつまで経っても変わらない。
そんなものあろうがなかろうが。
ステレオの中にいるロックスターに対する僕なりの回答。
答えは実に、もっともっとシンプルでした。
あの娘の手首に、キッスしたいんだ。

あの娘の孤独が歌になる。歌は風に乗って、海を渡る。時代すら超える。
耳から入って、またあの娘の孤独になる。あの娘の孤独が・・

センセーショナルな名ゼリフ。悩んだふりして、キッスしたいんだ。
センセーショナルなラブソング。忘れたふりしてキッスしたいんだ。
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[ 2011/05/07 20:42 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)